カーブスエッセイ大賞2018結果発表

作品詳細

佳作

「悲しみよサヨウナラ 一歩前へ」

光子様(70歳) カーブス鶴ヶ峰(カーブス歴:1年9ヵ月)

 その日は突然やってきました。
いつものようにソファーに横たわり、シーンとしている静けさに耐えられず、見てもいないのに、つけっぱなしのテレビ。
毎日同じ事の繰り返しで過ぎて行く日々。
何でそんなだらしない生活を送っていたかと言うと、遡る事、二年四ヶ月前、愛犬を亡くした事が始まりでした。
主人を突然の病気で亡くし、子ども達もそれぞれ結婚し、一人残った私にはその愛犬が、非常にいとおしく、生活すべてがその仔と共にありました。シェルティーと言う犬種にとって、十三歳は高齢かもしれません。
それに加えて肝臓が悪くなり、二月に知った時は相当悪い状態でした。四月に亡くなったのですが、病気のせいか二ヶ月前からは、日中はもちろん夜中でも、ワンと言う一声で起き、散歩に連れて行きました。
 行く時は歩いていく元気はあるのですが、帰りはエレベーターから降りると、ヨタヨタと家にたどり着くのがやっとでした。
これを読んでいる人は、可哀想に、抱いてあげれば良かったのに、と思うでしょう。
私も何度その境地に恐われたか知れません。病院から「肝臓全体が化膿して腫れているので、抱くといつ破裂するかわからないので、避けて下さい。」と言う言葉に従い、実行していたのですが、今でも力無く体を柵に横たえていた姿を思い出すたび、どうしてあの時抱いてあげなかったのかと、自分を責めこうして文章を書いていても、胸が締め付けられ、涙があふれ、何度も書く手が止まってしまいます。たとえ肝臓が破裂したとしても、抱いてあげていたらこれ程苦しむ事は無かったかもしれません。ただ一つ救いになったのは、最後まで入院させなかった事です。
「入院させても数日亡くなる日が延びるだけ。」と言われ、私には何も出来ませんが、一緒にそばに居てあげる事が、この仔にとって幸せなのではないかと思ったのです。
「良く頑張ったね。」と言葉をかける中、天国へと旅立ちました。
外出すると、どこを歩いていても、散歩をした風景が目に飛び込んできて、止めどもなく涙があふれ、外出もままならず、家では食事も砂をかむような味けなさ、喉を通りません。
そんな日々を送る私を心配した息子夫婦が、まだ毛の生え揃う前のセキセイ・インコを買ってきたのです。悲しみに沈んでいる私にとっては、世話する気持になりませんでしたが、自力で餌を食べられないヒナを前に、世話するしかありません。毛が生えそろってくると共に、良く懐いてきて、そのうち言葉を喋るようになりました。
自分の名前はもちろん、レオ(亡くなった犬の名前)の名前も。「チーちゃん、レオちゃん、言えたねー」と首を振り振り、「モシモシ、ハイハイ、モシモシ」と喋り、懐いてくれました。インコと寄り添った生活が続いていたのですが、それも一年四カ月で幕を閉じる事になりました。
いろいろな事が重なり、天国へと旅立ちました。一年前にはレオを、翌年にはチーちゃんを死なせてしまった自分に、あの時こうしていれば、ああしていればと、自分を責める日々、何をする気にもなれず、最悪な毎日を送っていました。
 前置きが長くなりましたが、話しを前に戻しますと、一年半前の私の姿がそこにあります。何げなくつけている画面から、実に楽しそうにマシンにつかまり、運動をしている人達。その日から、そのコマーシャルが流れるたび、テレビにクギ付け。電話番号を記したものの、電話をかける事が苦手な私は何日も、電話をかける事が出来ませんでした。
私の背中を押してくれたのは、息子夫婦でした。お嫁さんの母親が膝が痛かったけど、カーブスに行くようになったら、痛みが軽減したと言うのです。私も膝が痛く病院に通っていたのですが、先生からは、自分でも努力していかないと良くならないと言われていました。さっそく電話をかけて予約を取りました。
行ってみてまず驚いたのは、私より年齢が上の人達が何人も楽しそうに運動していたのです。この人達も皆電話をして来ているんだ。と思った瞬間、何日も電話する事をためらっていた自分がとても恥ずかしく思えました。行く度、明るく元気な声で迎えて下さるコーチの皆様。回を重ねるうちに、膝はもちろん、重く沈んでいた私の心がだんだん軽くなり、今では性格も以前よりだいぶ明るく活発になったような気がします。
自分から会員の人にハイタッチをしたり、話しかけたり、もう一人の自分がそこに存在しているのではないかと思う程、変わっていく私。先日、半年以上会っていなかった友人にバッタリ会った時、「何か変わったんじゃない。彼氏が出来たとか?」と言われ、とっさに出た言葉が、「姿勢が良くなったからじゃない。カーブスに行くようになって、お腹を引っ込め背筋を伸ばしている事が、日常生活の中で当たり前に出来ているのと、カーブスに楽しんで行っている事が、私を変えたんだと思う。」と答えました。
本当にその通りなのです。家に居ると、どうしても亡くなった仔達の事ばかり考えてしまいますが、カーブスに行くようになってからは、落ち込む回数が少なくなりました。
 健康器具を買っても三日と続かず、せっかく買ったのだからやらなくてはと思っても、一日が二日、二日が三日と、気持はあせるのですが、結局使わず、部屋の片隅に置いては後悔ばかりしていました。
天候の悪い日など、悪魔の私がささやきます。(今日は休んだら)と、でも勝つのはもう一人の私です。コーチの「みつこさんこんにちは」と明るい声掛けを聞くと、今日も来て良かったと思います。カーブスは私の生活の一部となりました。
 性格だけではなく、体も少しずつ変わって行くのが楽しみです。カーブスに感謝です。

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