カーブスエッセイ大賞2018結果発表

作品詳細

佳作

「30秒から始まる何か」

MEG様(60歳) カーブスサンロード東町(カーブス歴:1年1ヵ月)

30秒、こんな短い時間を意識することは、ほとんどない。それが、カーブスでマシーンを使っている時は、違う。私の脂肪よ、飛んでいけ!とばかりに意識する時間となる。
 時間を有意義に使いたいと、いつも思う。年齢が増すごとに、時間的感覚が加速するらしい。若い頃、60歳の自分は、遥か彼方にいた。それが、まさしく、今ここだ。ぼんやりしていると、こんなはずではなかったとつぶやく老いが、やってくるかもしれない。
 2人の子ども達は、結婚し、それぞれ平和な日々を送っている。主人は、定年退職した。長女が中学生になる時から始まった17年の単身赴任生活も終わった。つまり、夫婦2人の時間が増えた。海外旅行や、近場の温泉に1泊しては、ゆっくり過ごすことも多い。平穏無事というわけだ。やるべき家事を済ませれば、時間的な余裕もある。
 そんなある日、主人は、朝から意気揚々と、ゴルフに出かけて行った。彼は、上手に時間を使っているなとよく思う。その途端、自分の過ごし方が、妙に物足りなく感じてきた。夕飯の準備に取り掛かるには、まだ早い。とりあえず、ソファーに座り、テレビをつける。これと言ってすることがない時の一連の動作だった。なんとなく過ぎる時間が、もったいないと思い、テレビを消した。かといって、何がしたいのか・・・それすら浮かばない。消えたテレビの大きな画面は、全体が薄暗い鏡となり、そこに、ぽつりとソファーに座る自分が映っていた。
本物の鏡とは違い、決して、自分の表情が見えるわけではないのに、妙につまらなそうな自分に見えた。若い頃なら、そこに焦りも感じないだろう。暇を持て余した自分の姿に過ぎない。気分転換に出かければ済む。年を重ねてくると、そうはいかない。このままではまずい。脳を活性化させて、身体を動かさなければ、数十年後は、どうなるだろうと、不安と焦りを感じてしまった。
これといって人に語れるエピソードでもない。誰でも感じることだと思うが、私にとっては、これが、カーブスに通い始めたきっかけのひとつだ。
震度6強の熊本地震も経験した。自然災害の恐ろしさと、平穏無事が、いかにありがたいことかと実感した。幸い家も無事だった。怪我もしなかったし、大量の食器が割れ、テレビが壊れても、そんなことは、いまだに大変な状況にある方々に比べたら、何でもないことだ。地震にあった後には、本当に水と電気の有難さを感じた。日頃から、分かっているつもりだが、その度合いが違うのだ。そして健康であることの大切さも増した。
カーブスに通い始めて、やがて1年だ。顔見知りも増えて、居心地もよくなってきた。コーチの明るい挨拶と指導にも励まされる。マシーンをうまく使えるようにコツも教えてくれるので、だんだん要領もよくなった。
100回達成のTシャツを貰った時は、嬉しかった。100という数字の達成感だ。回数によって色が違うので、次は何色だろうかと、200の数字のメンバーさんに目がいってしまう。聞くところによると、1000回は、黒の生地に、数字はゴールドらしい。このTシャツを着た人を見たことがあるというだけで、話が盛り上がった。何回までいくか、とにかく続けようと思っている。
すぐ近くに、88歳の主人の母が住んでいるが、足腰が弱ってきたので、ちょこちょこと、足踏み程度の簡単な運動を促すようにしている。筋肉、タンパク質、この二つの言葉もいつの間にか、私の頭の中に浸透しているようだ。理想体型になるには、まだ道のりは遠いが、一日にメリハリができ、自分の時間をちゃんと楽しめていることだけは確かだ。

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