カーブスの世界
こんなものがあったらいいなぁの巻
世の中にこんなものがあったらいいなぁとドラえもんに願ってみても、そうそううまくはいかない現世なのに、それが、なんと、現実に起こったのでした。
そこには「30分でできる簡単筋トレ」と、のぼりがはためいていて、ドアをくぐると驚くほどの笑顔がありました。「こんにちはー!」声を揃えてカーブススタッフの明るい挨拶。何もかもうまくいかない感じを身にまとい生きていた私は、こんなに明るい場があることに驚きました。それまでに入ってきたジムでは、お局様グループがあったり、閑散としてコーチと二人きりだったりと、新参者は気を遣い肝心のエクササイズはそっちのけになりがちでした。ジムでまで、人とのストレスでは耐えきれず、退会。結果、一人で太り過ぎを解決しようと夕食をリンゴ1個にしてジョギングをするのですが、それは、辛いだけで面白くもなく、目標体重をクリアした途端、やめてしまい体重はリバウンド...。運動習慣を身に着けられる場に巡り合うことがありませんでした。
 そこに現れてくれたのが、カーブスです。カーブスの世界は、目に見えるマシーンとコーチとメンバーと目に見えないけど、そこから醸し出されている空気も全てまとめて、まさにあったらいいなぁ、と私が切望していた世界でした。どうやって集められたのかと思うほどすべてのコーチ達の前向きな明るさ、無用なたまり場がない場所の構成、マシーンサーキットの中心でいつもイキイキしていられるコーチのローテーションシステム、公平に、でも私だけにと思わせてくれる声掛け等、すべてが、よく練られていて、私たちメンバーが無用なストレスを受けず、筋肉づくりに楽しく励めるようになっています。その環境が10年間、晴れても曇っても大震災がきてもいつも同じくそこにありました。期待を裏切られたことがないということが、安心につながり、それは年を追うごとに大きくなっていきました。皆で一緒にやるというカーブスの場に慣れ親しませていただいたおかげで、生まれて初めて筋肉ができただけでなく、人の集団に緊張しなくなっていきました。カーブスには、自分を見る鏡は一切無くマシーンサーキットで見えるものは、コーチと他のメンバーの方のみ。その中で、10年いれば、他人と一緒にいるのが苦にならない、一緒にいるのが自然という感じにもなってきます。私にとっては、筋肉が無いことと同じくらい人との関係に緊張するというのが、課題でした。その二つが同時に解決されて無上の喜びを味わっています。今では、「あっ」「うん」で通じるぐらいのお友達が何人もできました。混んでいる場所は苦手だったのに、近頃では混んでいる日は、混んでいる日なりに皆が一生懸命にやる動きが密に感じ取れて、それが私を活性化させてくれるようになってきました。これなら、今まで苦手にしていた銭湯の女湯も満喫できそうです。「今さらですか」と言われそうで、ちょっと胸を張っては言えないんですが。
 ただ、子供たちにはこっそり私の体験をお話しする時があります。私は心理職で、ここ20年ほど、不登校生徒のカウンセリングをしてきていますが、そこに何と、カーブスに通っている生徒さんがいるんですよ。いいでしょ。お母さんから誘われたんでしょうね。不登校になるとその先、世の中への再デビューがしにくくなっていくことがあります。そんな時期にカーブスに通い安心な場があることを体験していくと人間関係への怖さが徐々に減っていくというような私の体験と同じことが起こることが多いのです。それで、私の体験をその子たちには明かして一緒に頑張る仲間になっています。

おばあちゃんの教えのように繰り返し繰り返しの巻
 この10年、ここまで来るにはいろいろありました。
運動経験の無いところから始めたため最初の半年は、何も変化を実感できず、自分のペースでマシーンを動かしていると、この程度の運動量では「今日、私は運動しました。」という自己弁護だけで終わってしまいそうな気がしてがっかりもしていました。だから、その頃は、半信半疑を顔に出していたと思います。その負のオーラをものともせず、マシーンの横で声をかけ続けてくれた笑顔のコーチ達のことは一生の思い出です。そのような負の状況が、3年目を過ぎたあたりから変わりだし、マシーンが教えられたとおりに使えるようになりました。行く度に体の隅々の変化が実感でき、周囲からマシーンの使い方を褒められ始めました。5年目ぐらいからクラブの指導方針が「腹圧に注意を向ける」になりましたが、最初は反発して、胸式呼吸より腹式呼吸の方が良いのにと思っていました。その時もまた、私のその負のオーラにも負けず、コーチ達がマシーンの横から笑顔でチェック。その甲斐あって、今では、腹圧の入れ方が分かり生まれて初めて身体の体幹がしっかり保てるようになってきました。それに伴って、姿勢も良くなり、諦めていた猫背も伸びてきました。大袈裟に思われるかもしれませんが、生きていれば、そして、続けていれば、奇跡は起こせるんですね。おばあちゃんの繰り言のように毎日声をかけ続けてくれてありがとう。心身の変化を実感できるまで続けられたのは、クラブ方針の一つ「見て見ぬふりはできません。」のおかげです。

無謀なチャレンジを可能にしたの巻
 「体が変われば心が変わる」これって、カーブスメンバーには、おなじみの言葉ですね。私は、時々講義もするのでこれを教えています。実は、これは、今流行のマインドフルネスで認知療法モデルの一つです。私もずいぶん物の捉え方が変わってきて、コーチ達のように明るい前向きな性格に変わりつつあると自分では思っています。
「心が変われば毎日が変わる」そこで、次なるチャレンジとして、長年、学校現場で実施してきた子供たちへの心理予防教育を色んな人に教えを乞うため大学院で論文にまとめることにしました。いろいろと苦労もありましたが、それでもそれだけ無謀なチャレンジができたのは、前向きな雰囲気で私の日常を包んでくれたカーブスのおかげだと思っています。
 昨年は授業の一環で、私の子供のような年のアジア人同級生とともにイタリア夏季短期留学に参加することができました。私の世代の英語学習は、読み書きが主だったため聞く話すは大の苦手で、そこでは言葉が通じず孤独にくじけそうになりました。そんな中、イタリアのカーブスに巡り合いました。そこでは、言葉は通じなくてもいつものマシーン、いつものコーチとメンバーの笑顔。そこでパワーをチャージしていただき孤独から解放された時、カーブスの皆にしみじみ感謝しました。
 こんな経験は特殊な経験と思われるかもしれませんが、日本でもイタリアでも同じものがカーブスにはある、私にはそう思われました。運動が得意でない女性が、運動の意味を学び自分のペースでやってみる。人との競争がない分、穏やかに人と交わっていけます。
「毎日が変われば人生が変わる」日々、カーブスにいるうちに、運動習慣と爽やかな人間関係という二つのものを手にすることができました。体が生まれ変わっただけではなく、心も生まれ変わることができ、今を楽しめるようになりました。いつまでもこんなカーブスの世界が続いていくように、それを伝えるカーブス大使になりたいと次なる願いも沸々と湧いてきています。