去年四月の或る日のこと、わが家の嫁御が「おばあさん、亀山にカーブスという女子だけの筋トレクラブが出来て、私見てきたけど、おばあさんに合いそう、一度体験してきたら?」と言ってくれた。


 自分の年齢のことなど念頭になく、何でもしてみたいとお転婆ばあさんの私にとって「よっしゃ」とばかりに早速見学にと及んだ。
 しかしである、来る人はみな私の娘位の人ばかり、82歳の老人が大丈夫かなあ、と一瞬ためらったが、スタッフの方の説明で、いけると判断、すぐメンバーとして申込んだ。

 毎月一回、市が老人の為にやっている、ふんばるクラブというのにもお世話になっているが、やはり人様のせいでやる気を起こす方が長続きをし、効果もあると踏んだ。
 それからと言うものは、ルール通り私なりに頑張って通い、それに伴い、体を動かし、健康になることへの関心がより大きくふくらんで行った。


 私の日課は 先ず朝目覚めたら、6.30分のラヂオ体操(四、五年つづけている)午前中にカーブスへ、昼食後休憩のあと、二時頃からその日の体調に合わせて、スロージョギングとウォーキングを交互に一時間以上やって歩数計を見ると一万歩の数字が出ている、雨の日は家でストレッチ、片足立ち、等をやる。

 カーブスの筋トレに通い出してから、最近何処やら体の調子がいい、肩こりも少ない。もともと胃下垂で細いからこれ以上痩せられないが、お風呂の鏡に映すわが姿の変化に、驚いている。誰方にも裸はお見せ出来ないけど、こんな年寄りでも体形が変化することを発見して我乍らびっくり。

 たしかに背筋は反り、臀部の筋肉は上っている。腕力もついたから、"これは、すごい"と本当に実感しながら内心とても悦に入っている。一年も立ってないのにこの効果。まだまだいける、と月十回以上を目指し、ふんばろうと思う。
 幸い、我が家より車で十分位、通い馴れた親しみある、ふるさとの道はハンドルも軽い。去年迷ったが、車の免許更新もした。安全運転に注意しつつ、このすばらしい山里の四季の景観を愛でて通える幸せに、感謝しまだまだ閉じ籠って等いられないと発奮している。

 毎週土曜日に、仲良しが集い、だべりながらハーモニカを楽しむ会をしているが、その時、姿勢の話となり、年寄りはあまりシャンと伸びてるのは可愛いげがないーと冗談ながら言う人がいて、そのことを夕食の折、息子らと話題にした。

 息子曰く「老人でも背筋がシャンとして姿勢がいい方がよいに決まっとる、それが健康につながり、まわりに迷惑をかけず、自分も楽しく日暮しが出来ると言う事や、猫背は老化の始まりやで、おばあさんはシャンとしとるで、誇りに思わなあかんよ」わが息子ながら、嬉しいこと言ってくれるじゃないのーと、ハッピーな気分になった。そして私の生き方に間違いなしと確信を持った次第である。

 あの国難とも言うべき3・11以後、東北地方の同胞を思い、今尚 胸つまる毎日だが、発災後早や一年が立ったのに、復興も未だ進まず、現地の皆さんのご心労処何ばかりかと天災のむごさに戦くばかりだ。

 過月も新聞紙上に 短歌が載っているのに目が止り、思わず嗚咽した。それは「ランドセル負いたる遺体抱きしめて 自衛隊員泥沼の中」 とあった。

 わが曽孫がこの春一年生に入学する姿と重なって、そしてその自衛隊員の心情を思い涙が止まらなかった。 

 この様な悲劇がどうか再び起こりません様にと祈ることしか、出来ない私自身歯がゆい限りではあるが、心ばかりの義援金を送り、何時も何時も忘れずに被災者の皆さんと心は一つにーと願っている。

 せめて、私は元氣で前向きな性格が取り得と思っているので、カーブスのメンバーの方達と明るく、楽しくみんなが幸せになれる様に、お節介ながら、見ず知らずの若いお人にも、年寄りの経験を話すと、興味を持って聞いて下さって、私を目標にすると、お上手を言って下さるからすぐにその気になってしまう。

 日本にとって悲しい一年は過ぎたけど、こうしてカーブスへ来て健康になれる。女性は、奥さんは一家の太陽なのだから、病気にならないように、笑顔で、きれいになって、夫や子供を幸せにする責任があるのですよ。と83歳のおしゃべりは、果てしが無い。どうも皆様お許しあれ。

 今私が思うことは、カーブスとの出会いがもっと早かったらと思うが、でもこの年齢で生き甲斐となって大きな存在となり、いきいき暮らせることはすごいことだ。この幸せをまわりの方々に広めなくてはーと思っている。

"ありがとう"これからもよろしく 

 終

 

"川柳"(筋トレ) 

非常ベル鳴らさず今朝も幕が開く

わが航路健康志向へ舵を切る

継続がもたらす成果という宝 

筋トレの効果ホクホク書く日記

あたたかいマシンの隣みな同志 

自惚れと自己満足で生きている

筋トレだ勝負だタイムリミットだ

美しく映す鏡を愛してる